この記事では、「夫の帰りが遅い理由」と「帰りが遅いという理由で離婚ができるのかどうか」をご紹介します。
夫の帰りが遅いこと自体はいいけれど、遅くなるなら連絡が欲しい。ご飯は用意しておいたらいいの?
お風呂は入るの?週末の予定の相談もしたいのに。夫には伝わらないけれど、これらはかなりのストレスですよね。
こっちから毎回聞くのもおかしいし、いざ聞くとぶっきらぼうに「わからない」と返信が来るだけ。これはもう、離婚したほうがいい?
こういった時の対処の仕方をご紹介していきますので、参考にしていただければ幸いです。
夫の帰りが遅いだけで、離婚はできるの?
ずばり、協議離婚であれば、夫の合意があれば離婚はできます。
協議離婚というのは、お互いの合意があれば成立しますので、理由に限らず離婚することは可能なのです。しかし、裏を返せば合意がなければ離婚はできないということです。
ですが、合意がなくても離婚が認められるケースがあります。
それは、「民法第770条1項各号の離婚事由」に当てはまっていれば離婚の請求ができるのです。
第770条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
つまり、1~5に当てはまっていれば離婚でいる可能性は高まりますが、単に「夫の帰りが遅い」という理由のみでは離婚事由にはならない可能性が高いです。
そこに例えば性行為のレスだったり、家庭内別居だったりと婚姻を継続していくのが困難なことがあれば、その部分も主張するとよいでしょう。
もちろん、不貞行為はわかりやすい不法行為なので、不貞行為の立証を行うのも手です。
【思わぬ理由も】なぜ夫の帰りは遅くなってしまうのか?
夫の帰りが遅い理由は仕事だけなのでしょうか??今回は、私の依頼者さんからよく聞く事実で多いものをまとめました。
夫の帰りが遅い理由① 職場の環境が悪い
夫の帰りが遅い理由のひとつとして、職場の環境が悪いことが挙げられます。メディアなどでは労働環境の改善について度々取り上げられていますが、夫の会社がそうとは限りません。
勤務先がブラック企業の場合は、もしかしたらあなたには言いづらい精神状態になっている可能性があります。
あなたから職場環境について尋ねると、夫は職場環境に悩んでいる現状を話し出すかもしれません。職場の環境が悪い可能性を考慮し、まずは会話をしてみましょう。
夫の帰りが遅い理由② 早く帰る努力をしていない
夫の帰りが遅い理由の1つに、夫自身が早く帰る努力をしていない可能性があります。なんとなくゆっくり残業して帰ろう。
これが許される風習の会社もあります。もしかしたら社内が緩やかな雰囲気かもしれません。
又、飲み会が多い会社もあり、夫もお酒やそういう場が好きな場合、早く家に帰る努力をせずに最後まで飲む。。。このパターンの場合、それほど重症ではありません。
努力を促すことも大切です。早く帰ってくる曜日を決めるなど、1度話し合ったほうが良いでしょう。
夫の帰りが遅い理由③ 家での居場所がない
私が受け持つ案件で、意外と多いのが「夫の家での居場所がない」というケースです。
何故なら、夫が家事と育児から離れている場合、家で何をしていればいいのかわからないからです。
家事や育児は男性が考えている以上に体力と精神力を消費しますよね。夫が帰ってくるとすぐに家事や育児の不満を夫にぶつける。
そんなことがあると、夫はそれを避けるためにあえてコンビニで時間をつぶし、帰る時間を遅くしたりすることもあります。
家庭での会話を見直し、夫の家での居場所を作ってあげることも、夫婦仲改善に繋がりますのでおすすめです。
夫の帰りが遅い理由④ 趣味が多い
夫の帰りが遅い理由として、趣味が多く、帰りに遊んでいる可能性も否めません。
夜にできる趣味を持っている場合、仕事終わりのストレス発散でついつい趣味に走ってしまう男性は多いのです。こういった男性は、独身時代の感覚のままでいる方に多いです。
この場合、あなたが一緒にできる趣味であれば、休日に一緒に行うことを提案してみましょう。
平日は早く帰ってくるようになるかもしれません。夫の趣味はどうなのか?確認してみましょう。
夫の帰りが遅い理由⑤ 浮気相手がいる
夫に浮気相手いるかもしれません。上記4つから急展開ですが、夫に浮気相手がいれば、当然帰宅が遅くなることはあり得ます。
実は仕事は18時には終わっていて、そこから4時間ほど浮気相手とのデートを楽しんでいる男性は思いのほか多いです。
あなたの夫が必ずしもそうとは限りませんが、他の行動などで疑うポイントがある場合、まずは事実の確認を行うのも良いかもしれません。
ここで大切なのが、「浮気しているの?」と正面から聞かないことです。浮気かも?と思ったらすることはこちらの記事を参考にしてください。
夫が早く帰ってくるようにするには?
夫が早く帰ってくるなら、離婚するよりも婚姻を継続したい。そんな方もいらっしゃると思います。
次は、夫の帰宅を早くするためにできることをご紹介します。
夫の帰宅を早くするためにできること① 転職を提案してみる
転職の提案をしてみるのも1つの手段です。
夫の働く会社がブラック企業だった場合や異常に飲み会が多いなど、環境を変えることで夫が早く帰宅できるなら、思い切って転職を提案してみてもいいかもしれません。
その場合、急に切り出すのではなく、夫の話を何度か聞いてから提案することをおすすめします。まずは寄り添ってみることが大切です。
夫の帰宅を早くするためにできること② 家に帰る理由をつくる
夫が家に早く帰る理由をつくるのも大切です。寂しいことですが、家に帰る理由がなければ帰らない。こんな考えを持つ夫もいます。
毎週月曜日は一緒に趣味の○○をやる日、水曜日は一緒に外食、など何かしら夫が家に帰る理由を作ってみるというのも試してみる価値はあります。
夫がそれに応えるか応えないかで、あなたの次のアクションを決めてもいいでしょう。
夫の帰宅を早くするためにできること③ 浮気をやめさせる
夫が浮気をしていて、それが原因で帰りが遅くなっているのであれば、浮気をやめさせるしかありません。
もちろん、離婚という選択をするなら話は別ですが、これからも一緒にいたいと思うのであれば、浮気の証拠を掴み、話し合ってやめてもらうのも不可能ではないはずです。
しかし、浮気をやめさせるのは至難の業です。この場合は、あなた自身がどうしたいかをしっかりと分析し、次の行動を周囲に相談してみるのも大切です。
夫の帰りが遅いと影響があること(番外編)
番外編です。依頼者さんたちが口を揃えて話す「夫の帰りが遅いことで引き起こる様々なこと」をご紹介します。共感することも多いと思います。
夫の帰りが遅いと影響があること① 夫の身が心配になる
連絡がないと、夫の身になにかあったのではないかと心配になりますよね。定時はこのくらいの時間だけど、もう2時間も経っている。なのに連絡がない。
こういった日が続くと、待っている側はかなりのストレスですよね。とにかく残業かどうかぐらいは連絡をもらえるように伝えましょう。
夫の帰りが遅いと影響があること② 食事をどうすればいいかわからない
夫の帰りが遅いと、食事を用意しておいたほうがいいのか、自分の分だけでいいのかわからない日が多くなります。
「しっかり作ってくれ」という夫は意外と多いので、そのプレッシャーを感じてしまう奥さんもいらっしゃいます。自分の食事を用意させるために妻を振り回す夫は、決していい夫とは言えません。
帰りが遅いときは食事を済ませてから帰ってきてもらうなど、きちんと対策を考えたほうがいいでしょう。
夫の帰りが遅いと影響があること③ 寝るタイミングがわからない
夫の帰りが遅いと、寝るタイミングがわからないですよね。結果的に、常に寝不足になってしまう。
寝不足になると、夫への感情がネガティブになる可能性がグンと高まります。
睡眠不足だと感じている場合は、思い切って待たない選択をするなどして、自分を大切にしたほうがいいでしょう。
夫の帰りが遅いと影響があること④ コミュニケーションが減る
帰りが遅いと、夫の間でコミュニケーションが減ってしまいます。朝はお互いにバタバタしていますし、昼は仕事です。
残るは夜ですが、その夜の時間も一緒に過ごす時間もないとなると、コミュニケーションが減り、結果的にセックスレスになってしまうことも。
夫とのコミュニケーションが足りないと感じる場合、一旦話し合う必要があると思います。
夫の帰りが遅いと影響があること⑤ 子供が父親と過ごす時間が減る
子供が父親と過ごす時間が減るのは、育てている母にとっては考えるところがありますよね。
しかも、遅くまで子供を一人で世話をしているあなたの精神的負担は相当なものです。
夫が夜遅くまで働いていることはしょうがないとしても、子供が犠牲になるのは良いことではありません。
子供と過ごす時間が減っているという事実をぶつけてみましょう。
まとめ
単に「夫の帰りが遅い」という理由のみでは離婚事由にはならない可能性が高く、離婚事由を作るには別の理由も主張していくとよいでしょう。
又、夫の職場の状態によっては、離婚という選択肢を真っ先に考えるのではなく「早く帰らせる努力」も必要かもしれませんね。
とは言え、もし夫の帰宅が遅い理由が「浮気」にあるとしたら、それは離婚事由(不貞行為の場合)に該当しますので、証拠を掴むことが先決です。
その後に、離婚するのか?修復に向かうのか?を決めていくのがよいと思います。そういった相談は、弁護士さんはもちろん、探偵にするのも1つの選択肢です。
どちらも、あなたに寄り添ってくれることでしょう。あなたのより良い未来の為に、当記事の内容を参考にしていただければ幸いです。